定年再雇用、定年延長?

退職後、まる3年経ってすっかり現役感は脱色された。それに伴い新しい生活パターンが身についてくる。退職当初にあった、新しい生活への期待や意気込みも時間と共に薄れ、ショッピングモールで連れ合いの後を追う老人のひとりになり下がってしまった。自分なりに勉強や趣味に時間を費やしているつもりだが、目的も義務もない自己研鑽は、怠け心との戦いで当然負け越している。

我々の世代は定年まで頑張って、余生をのんびりと過ごすと言うスタイルを当然の様に考えていたが、今後はそうではないらしい。定年延長は労働力不足と社会保障の負担増が原因のようだが、ゴールを見据えて頑張っていた同輩たちはゴールポストが動いたようで複雑な気持ちだろう。経済的にはありがたいが、組織の中ではアルバイトや契約社員の様な立場だ。働くことにもっと崇高な意味を求めていた自分たち世代には、労働というものは所詮は時間束縛と賃金の交換なのだと、そう簡単に割り切れるものではない。

そもそも定年延長と言っても、就業規定通りの定年を迎えたのちに、新たに再雇用契約する場合が殆どだろう。つまり地位や権限はリセットされ、今まで培ってきた反射運動だけを続けてくださいと言うことだ。「個の存在はもう必要ない、シフトの穴を埋めてくれれば良い」と言われているわけで、これが本当の定年なのだ。今まで取り組んできた会社や組織の色々な課題対策などの責任感にはきっぱりと決別し、与えられた目の前の業務だけを処理すれば良いのだから、なってみれば気楽なのかなぁ。そんなチャンスは無かったけれど・・・・・。