グライダー

定年をすぎ年金生活者となり他に収入源はない。
過去の預金を取り崩して生きていくしかないが、その様はまるでプロペラを持たないグライダーのようである。
つまり降下を始めた位置から着地点の位置まで滑空するのみ。高い位置から飛び出せば良いが、低い位置から飛び出すと悲惨な目にあう。一時期、政府はその位置を2000万円という目安を投じたが、気に入らなかった人も多かったようである。気に入ろうが気に入らなかろうが実際、持っている蓄えで無収入生活に突入しなければならない。たとえある程度準備をしていても年金生活に突入した前には想定していなかったアクシデントもあれば想定外の物価上昇もある。それでもまだ爪に火を灯し草の根を食べるところまでは堕ちてはいない。頑張りましょう
 グライダーは別に金銭だけにとどまらない。文化的にも同様である。時間ができたので趣味を始めようとしてもお金の問題もさることながら一番重要なことはスキルである。現役時代から趣味を持っておられる方々は「待ってました」とそれに没頭して有意義な老後を送れば良い。それこそ高い位置からの滑空だ。全く無趣味で生きてきて老後にできることを探しても、大したものは見つからない。最悪なのは会社の金でやってきた接待ゴルフや釣りを自分の趣味と勘違いすることだ。老後は隣の街に行くことさえ自腹だ。金のかかる趣味を続けたければ仕事をやり続けなければならない。
 若い頃からギターをちょろちょろとやっていた。努力が嫌いな私は練習しない理由に「時間がない」としていた。今は有り余る時間とたくさんのB級ギターに囲まれている。もう上達することもなく私の趣味は低空飛行のまま終わりそうである。

福岡市近郊の人間なら博多に出かけた際には必ずお世話になった「ナイルカレー」、近くのスーパーで売っていたので懐かしくて買ってしまった。味は????。思い出は心にしまっておくものだ