俺たちと一緒じゃ困る

私は会社員を30年間ほどやった。
時代は昭和から平成へ、まだ若く血気盛んな私は各地に散らばった同じ事業部の同僚に声をかけ、年に一度集まって酒でも飲んで盛りあがろうと言うことを始めた。その際、土建屋さんや田舎の爺さんたちのような「品のない宴会」をやってみようと言うことになった。仕事はなかなかハードな時代だったし同僚は同志みたいなものであった。実際に土建屋さんがそんな宴会をしているのかは知らなかったが、当時の温泉街にはそういう需要に応えるべく環境が整っていた。(そう言う場を盛り上げてくれる女性たちをスーパーコンパニオンと呼んでいた)かくして宴会翌日にはみんな上機嫌で来年の再会を約束して別れたものだ。
 今回、自民党の若手議員が研修会後の懇親会で行ったと言われている「下品な宴会」は我々が行っていた昭和の宴会に近いものであったろう。我々と違うのは、議員というものは選挙民からの請託を受けた特別な人たちであることだ。幼い頃から周囲から親の地盤、看板を引き継ぐことを期待され、当然のように議員になった人は何万票の重さが判らないのかもしれない。
 最も恐ろしいのは、そういう特別の立場にある人たちが100人単位でC 国へ視察や会議名目でわたり、果たして何人が無事に買収やハニートラップを跳ね除けて無事に帰国できるのであろうか?最近、権力中枢にさえその影響を感じることがある。そしてなぜかそのことを報道しない大手マスコミにも不思議さを感じるこの頃である。